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垂水区

垂水のいいね!電車と散歩編 山陽人丸前駅

2019年8月21日号掲載

〈第5回〉山陽人丸前駅&駅周辺散歩

近くにある「人丸前駅」は、 少し歩けば豊かな緑や 史跡が点在する 散歩にピッタリの駅!

今回は垂水区の隣、明石市にある山陽電車「人丸前駅」とその周辺を訪ねた。駅名の『人丸』は、駅の北側にある「人丸山公園」に因んでつけられたそうだ。

電車が駅に着き、降りるとすぐに「明石市立天文科学館」の建物が目に飛び込んでくる。

子午線の上にいることを実感しつつ、改札を出て天文科学館がある北側に向かう。駅から150mほどで科学館入り口に到着するが、そこまでに、一見すると道沿いのオブジェのように見える平家ゆかりの「馬塚」があり、「平敦盛の兄の馬をこの地に埋めた」との内容が記されている。

科学館に続いて、その北側には「柿本神社」がある。

人丸山の頂上にある神社までは、急な石段を登る必要がある。同神社は、歌聖として知られている柿本人麻呂ゆかりの神社で、学問文芸の神様として信仰を集めている。神社の前には日時計も置かれていて、その近くには科学館の出口も設けられている。神社にお参りした後、石段を下って公園内に足を運んだ。周囲が住宅地と思えない豊かな緑に包まれた園内は、夏だというのに少しヒンヤリして気持ちいい。

公園を抜けてさらに北に向かう。ゆるやかな坂が続くが、その頂上にある交差点を左折して、今度は下って行く。しばらく歩くと、柿本神社に隣接している「月照寺」の裏参道の石段が現れる。

その石段を上り切ると寺に辿り着くが、その手前で右に曲がる。そこには、鬱蒼とした緑豊かな山道のような階段がある。階段を下った先には、播磨三名水の一つに数えられている、人丸山から湧き出る麗水「亀の水」の手水鉢がある。

地元の人の生活水としても役立てられていて、水を汲むために次々と人が訪れていた。その横を抜けて少し進むと、今度は、右手に「雲晴寺」が現れる。ここの境内には、里見忠義と夫人の墓石や宮本武蔵作庭の庭(復元)などがあることで知られている。  その南側の門をくぐると、すぐに山陽電車の高架に沿った道に出るので、左に曲がって駅に向かう。5分足らずで駅には着くが、今回は駅の南側にも足を運んで、国道2号線を超えて少し西にある玉垣に囲まれた「腕塚神社」にも立ち寄った。境内には「忠度(ただのり)塚」が設置されている。

須磨から明石にかけては源平合戦の史跡が多数点在しているが、この塚もその一つで、「平家物語」で語られている「忠度最期」に因んだものだとか。  塚を見学して駅に戻る。ここまででおよそ1時間。途中、天文科学館などに立ち寄れば、数時間は十分に楽しめる散歩コースだ。

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