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西区

認知症サポーター養成講座

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7月10日(水)西区民センター会議室(西区糀台)で、神戸市社会福祉協議会による「認知症サポーター養成講座」が開かれた。

中山たえ子さん

講師は「キャラバンメイト」として活動する中山たえ子さん。認知症に関する正しい知識と理解を持ち、地域や職域で認知症の人や家族の手助けをする人のことを「認知症サポーター」というが、そのサポーターを養成する講座を開き講師を務めるのがキャラバンメイト。中山さんは平成17年の「認知症について知ろう」というキャンペーンをきっかけに、養成研修を受講しキャラバンメイトになったという。介護福祉士で、認知症ケア専門士でもある中山さんは実際に介護老人保健施設で認知症の人々のケアをしている。

 

当講座には30代から70代の33人が参加。「認知症を学び地域で支えよう」というテキストが配布され、それに沿って基礎知識を学んだ。認知症の人に対しての基本姿勢は、「驚かせない・急がせない・自尊心を傷つけない」ということ。そして具体的な対応のポイントは「まずは見守る・余裕をもって対応する・声をかけるときは一人で・後ろから声をかけない・相手に目線を合わせてやさしい口調で・おだやかに、はっきりした滑舌で・相手の言葉に耳を傾けてゆっくり対応する」の7つ。

神戸市には高齢者の11パーセントにあたる47000人の認知症の人がいる。認知症は年をとると多くの人がなりうる脳の病気であるが、早期に対応することで進行を遅らせることができる。周りが認知症の正しい知識を持つことで理解と気遣いができ、認知症になった人は住み慣れた地域で自分らしく、ともに安心して暮らし続けることができる。この認知症サポーター養成講座を受けると「認知症サポーター」と認められ、「目印」としてブレスレットが渡される。「この講座を受けたみなさんは認知症サポーターです。このオレンジリング(ブレスレット)を身に着けて応援者となってください」と中山さんは強く語った。

最後の質問タイムで「認知症の人に認知症だと自覚させることは良いことなのか?」という問には「自分が言われて嫌だと感じることは言わないようにしよう」との答え。実際に親が認知症になっていて対応に困っている参加者からの質問も出た。神戸市では、国の「認知症施策総合推進戦略(新オレンジプラン)」の推進も含め、市民誰一人として取り残さないとの決意のもと、昨年4月「認知症の人にやさしいまちづくり条例」を制定した。担当者からは支援活動を応援し「あんしんすこやかセンター」や「こうべオレンジカフェ(認知症カフェ)」の案内チラシが配布された。 ※こうべオレンジカフェ(認知症カフェ)/認知症本人や家族、地域住民、専門職など誰でも気軽に交流や相談ができる集いの場。市内各区に設置している。お茶やお菓子を食べながらの談話・体操・ゲーム・生け花・手芸などそれぞれのカフェで各種プログラムが企画されている。

〈問い合わせ〉神戸市社会福祉協議会 TEL/(200)4013

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