第17回 ケア子屋
2019年7月24日号垂水版掲載
医療と介護の地域連携
「障害者の支援について考える」
〜住み慣れた地域で、誰もが安心して暮らせように〜
6月28日、垂水区小束台の介護老人保健施設みどりの丘にて、垂水区・西区・明石市の介護の地域連携を図る勉強会「ケア子屋」が開催された。
この日のテーマは「障害者の支援」。神戸市では、障害者手帳を交付されている人は、身体、療育、精神を合わせて10万人を越え、人口の約7%になる。今や、介護保険においても障害者福祉サービスのマネジメントが当たり前となっている。しかし、介護保険と障害者福祉の制度の違いなどから、障害者向けのサービスの仕組みや利用方法などがわかりにくいという現場の声も多い。そこで、身体障害、知的障害、精神障害など、児童から高齢者まで多岐にわたる支援の実績を持つ訪問看護ステーション「秋桜」代表の瀧田章一さんを講師に招いて勉強会が行われた。瀧田さんは16歳の時に交通事故に遭い、車椅子生活となりながらも、社会福祉士、精神保健福祉士を取得し、2015年に株式会社シャーンティを設立し「秋桜」を運営している。ご自身の体験も踏まえ、これまで5年間で1,500名以上の障害者の方々の相談支援を行ってきた。
勉強会ではまず「実際に障害者支援を行う時の問題」について、グループワークを行い、「障害の特性を詳しく知らない」「制度が複雑でわかりにくい」「障害者サービスを実施したことがあるが大変だった」など、さまざまなな意見が交わされた。それに対し、瀧田さんから「ケアマネジメントの考え方の基本は同じ」とこれまでの事例が紹介された。さらに、現状の問題点や制度の使い方や役所での手続きのコツなど実務に役に立つ具体的なアドバイスも。「業務をしながら調べたり問い合わせたりするのは時間を取られる、いつでも私に相談してください」と力強い言葉もあり、参加者の皆さんから「具体的な内容で勉強になった」「相談できる人と繋がりができてよかった」との感想が聞かれた。
「ケア子屋」に参加しているのは、ケアマネジャー、在宅医療を支援する医師、訪問看護師、理学療法士、薬剤師、介護士、鍼灸師、司法書士、介護用品の販売会社、保険会社など、福祉に関わるさまざまな分野の専門家たちだ。日々の業務が忙しい中、午後7時からの勉強会に集まり、地域の福祉のために連携を深めている。この日も「住み慣れた地域で誰もが安心して暮らしてほしい」という、皆さんの想いが伝わってくる中身の濃い勉強会だった。
訪問看護ステーション 秋桜 代表 瀧田 章一さん
〈問合せ〉
ケア子屋事務局
向原クリニック
西区大津和1-7-8
TEL:975-8760