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ハンター体験会

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農作物や生活環境に被害を及ぼすイノシシなどの有害鳥獣の捕獲活動を行うハンターの裾野を広げるために、狩猟に関心のある市民を対象にした「ハンター体験会」が、6月8日(土)神戸市外国語大学(西区学園東町)および須磨総合射撃場(西区)で開催され、事前申し込みをした26人(うち女性6人)が参加した。

神戸市では市内に生息するイノシシなどの有害鳥獣による人身被害や農作物被害が発生している。そこで市は、有害鳥獣の捕獲を兵庫県猟友会の市内9支部に所属する有害鳥獣捕獲班員に依頼して実施している。ところが、近年捕獲班員の減少と高齢化が進み、担い手不足が懸念されることから市では平成27年度から育成・確保に向けた取り組みを行っている。結果、60歳未満の捕獲班員が増加し、平均年齢も低下傾向に転じた。育成・確保の取り組みとしては、狩猟免許などの取得や更新にかかる経費の補助、ハンター体験会のイベント開催、神戸市有害鳥獣捕獲実践研修を実施している。

この日は、まず神戸市外国語大学の講義室において、兵庫県猟友会神戸西支部有害鳥獣捕獲班員による捕獲活動に関する講演と模擬銃の紹介、市職員による狩猟制度の説明があり、その後、須磨総合射撃場に移動し、ライフル銃と散弾銃の射撃を見学した。ハンター歴35年の男性は、果樹園農家でカラスの被害に遭っていたため、農業組合からの指示で狩猟免許を取得したといい、最近はイノシシの被害も増えてきたと話した。ハンター歴1年の医師は、父親がハンターだったので子どもの頃にイノシシ狩猟に同行した時は危ないと思っていた。けれど趣味のフライフィッシングで3年前頃からカワウのせいで魚がつれなくなってしまったため、一念発起して53歳で狩猟免許を取得したという。狩猟の醍醐味は、わな猟なども含めて鳥獣と知恵くらべをして捕獲し、イノシシやカモを捕獲した場合は自分でさばいて食することもできるという、最初から最後まで自己完結できるところだと話す。

模擬銃の紹介では、猟友会メンバーから「銃身だけを持つ場合でも、絶対に銃口を人に向けないように」と手ほどきを受けながら参加者も模擬銃を手に取り構えたりしていた。須磨総合射撃場では、ライフル銃と散弾銃の違いについて説明があり、その後、移動する的をライフル銃で撃つ練習や散弾銃でのクレー射撃練習を見学した。

男性の参加者からは「社会貢献が出来ればと思って参加しました」「助成金があるとは言ってもランニングコストが気になりました」「男子の本能でちょっとわくわくしますね」「でも命を奪うのは躊躇しますね」などの感想があった。

中央区から参加した40代の女性は、子どもが農業高校に通学しており、自身も兵庫県猟友会の講習を受けたことがあるといい「銃の威力に驚きました。果たして自分にイノシシの解体まで出来るのか不安ですが、帰ったらちょっと息子に自慢できます」と笑顔で話した。 ※補助を受けるための要件や補助の対象となる免許・許可の種類、上限補助額など詳細は「令和元年度狩猟免許等新規取得補助制度」で検索。または、神戸市経済観光局農政部計画課TEL(984)0370まで。

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