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垂水区

垂水のいいね!電車と散歩編 山陽須磨駅

2019年6月26日号掲載

〈第3回〉山陽須磨駅 & 駅周辺散歩

夏は多くの人々で賑わう 須磨海岸。その表玄関の1つである「山陽須磨駅」は、今もどこか懐かしい雰囲気が 漂っている。

夏場は大いに賑わう須磨海岸への入り口の一つである「山陽須磨駅」とその周辺を今回は巡った。

駅のホームに降りる。記憶に誤りがなければ、ホームから階段、地下道、改札周りまでの雰囲気は、何年も前からほぼ変わっておらず、現在もどこか懐かしい雰囲気が漂っている。

改札を出ると国道2号線が通っており、横断歩道の先にはJR「須磨駅」が見える。改札を出て左側に進む。数10mほど行くと細い路地がある。その路地は、山陽電車をくぐって北に出ることが出来る小さなトンネル(写真❶)に繋がっている。トンネルにはおそらく駅の北側に広がる閑静な住宅地の住民だろう、多くの人たちが駅に向かって歩いている。

 写真❶

今回の目的地の1つは、その住宅地の一角にひっそりと佇むようにある「関守稲荷神社」だ。多くの神社仏閣がある須磨でも、駅から最も近い神社で、境内にはいくつかの石碑があり、それを見に行く。

トンネルを抜けると階段がある。その先は細い路地の坂道で、少々入り組んでいることもあって、ちょっと不思議な空間となっている。目的の神社は、その路地を歩いて5分ほどのところにある。小さな神社だが、南北両方の入り口には赤い鳥居(写真❷)が立ち、緑も多いこともあって、荘厳な雰囲気が漂っていた。

目的の「長田宮」と書かれた石碑(写真❸)は、すぐに見つけることができた。石碑の横にある看板には「元々は神戸市バスの須磨駅前停留所の東方約100mの場所で発見されたものを移築してきた」との内容が書かれている。ただし、その昔、この石碑が置かれていたはずの「須磨の関」の場所については、実際にはどの辺りだったのかは今も不明であるそうだ。

写真❷ 写真❸

神社でお参りをして、東側にある通称「いなり坂」を下る。山陽電車のガード下をくぐると、すぐに国道2号線に出る。交差点の角には、村上天皇ゆかりの「村上神社」がある。神社前の横断歩道を渡って海に向かう。

JRの線路を渡って少し歩くと、2つめの目的地である「須磨海岸」に出る。海岸は、舗装された遊歩道が海岸線に沿って設けられているので歩きやすい。訪れたのが6月上旬だったため、海水浴シーズンの喧騒が嘘のように、静かで穏やかな海が広がっていた。

さらに東に向かって歩く。遠くに「須磨海浜水族園」の銀色の屋根と真っ赤な「須磨の赤灯台(旧和田岬灯台)」(写真❹)が見える。灯台を目印に美しい海を見ながら歩き、灯台前でUターン。帰りは、海岸沿いに設けられた遊歩道を歩く。進む先には、海にせり出すようにそびえる「鉢伏山」の緑、そして海上に浮かぶ淡路島と明石海峡大橋をバックにした、白浜がある美しい光景が広がる(写真❺)。白浜の西の端まで歩き、再びUターン。途中の地下道をくぐって、線路沿いを歩いて駅まで戻った。

写真❹ 写真❺

ゆっくり歩いても1時間ほどで歩ける距離だ。アップダウンもあまりなく、海岸では広い空と広い海を眺めることもでき、リフレッシュしたい時に、最適な散歩コースと言えよう。

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