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須磨区

須磨大茶会

4月29日(月・祝)、普段着で誰でも気軽に参加できる茶会「須磨大茶会」が大本山 須磨寺と須磨温泉 寿楼(須磨区須磨寺町)で開催され、延べ約千人の人々が茶席を楽しんだ。

主催/須磨大茶会運営協議会

須磨大茶会は昭和55年に始まり、今回で38回目。茶席は2席設けられ、須磨寺本坊にて表千家同門会兵庫県支部が、寿楼にて照浪庵小笠原流煎茶が席主となり執り行った。茶席には着物姿の女性や外国人男性、ラフな服装の若者なども入り交じり、賑わいをみせていた。大学生の妹と二人で垂水区福田からやってきたインド人のラティカさんは「茶会は初めて。とても楽しく、おもしろかった」と話した。

小池陽人副住職

須磨寺客殿では、須磨琴保存会による「一絃須磨琴演奏会」があり「青葉の笛」にはじまり「須磨の春」、最後は総勢20人による「平成」など5曲を披露し、訪れた観客から大きな拍手が沸き起こった。演奏の後は小池陽人副住職による「須磨寺に関するお話」があった。886年に建立されたこと、在原行平による須磨琴の発祥の歴史や源平一の谷の合戦についてなど。平家物語の中で最も美しく最も悲しいと言われる平敦盛と熊谷直実の一騎打ちの場面や、青葉の笛にまつわる話、その笛を見たさに松尾芭蕉など多くの歌人が訪れ境内に句碑があることなどをときにはユーモアを交えて語った。一絃琴を初めて聴いたという女性は「どちらかというと琵琶の音に近く力強い音色だった。歌いながらの演奏は素晴らしかった」と感動した様子だった。

 

境内横の須磨寺公園にある須磨寺大池のほとりには特設ステージが設けられ、小池照男さんによる「しの笛演奏」と日比万里子さんによる「青葉の笛」の語りがあった。すぐ側では神戸女子大学茶道部による「町かど茶会」が開かれ、多くの来客が抹茶と和菓子を味わっていた。茶道の仲間2人と一服を楽しんでいた裏千家淡交会神戸第二青年部部長の清野佳世さんは「9月1日に須磨寺で初めてお茶会を開くので、その下見も兼ねてやってきました。表千家と裏千家の作法の違いなどがわかり、いい機会でした」と笑顔をみせていた。

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