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須磨区

みなっち子ども食堂

4月24日(水)、「第25回みなっち子ども食堂」が南落合地域福祉センター(須磨区南落合)で開かれた。スタッフ、神戸市外国語大学の学生などのボランティアが見守る中、地域に住む幼児から中学生までの子どもたち36人がみんなで食卓を囲んだ。

主催は地域住民による「みなっち子ども食堂」(登録スタッフ27人、支援者10数人、ボランティアの大学生で運営 )。元PTAや青少年育成協議会、保護司の活動を通して子どもたちと接する中で、「 群れて遊ぶ」「土に触れる」楽しさを知り、月に1度でも楽しい晩ご飯のひと時を過ごしてほしいと2年前に始めたという。隣接する南落合小学校の農園で子どもたちと野菜を育て、フードバンクやコープなどの企業や個人からの食材・物資の支援で献立を考えている。毎月第4水曜日の午後5時~8時、小学生と中学生(お手伝い付)は無料、高校生以上は500円。

当日は時期的に畑作業がないことから特別企画として、ネスレ日本株式会社によるヘルシーキッズプログラム「健康卓球」が行われた。はじめに、ネスレの武藤寿旭アシスタントマネージャーが「自分のからだは自分でつくるんだよ」と話し、赤(タンパク質)・黄(脂質)・緑(ビタミンミネラル)の食べ物がどのような働きをしているのか、その3つの色が揃うと元気が出ると説明した。子どもたちは肉や魚、おにぎり、りんごなどの食べ物がどの色に当てはまるかを考え、その絵が描かれたシールを色別に分かれた紙に貼った。その後、食べ物の絵と点数が書かれたボール紙の的をピンポン玉で3回倒し、合計得点で優勝者を決めるゲームを行った。ほとんどの食べ物が1点の中、牛乳やチーズは10点、ほうれん草5点、みかん5点など高得点もあり、赤黄緑と3つ揃って倒すとボーナス点がもらえるなど工夫されたゲームに子どもたちは熱中し大いに盛り上がった。最高点の57点で優勝した入江真絆くん(南落合小6年)は「力むと上にいくので、下にいくようコントロールした」と話し、賞品のキットカットを弟の慶音くん(4歳)が大喜びで受け取っていた。

その後はお楽しみの晩ご飯。この日はコープこうべ弥栄台配送センターから支援された豚肉を使い、メンバーが心を込めて作った八宝菜、そうめんのすまし汁、サラダにご飯、チョコパン。さらに種子島から届いたタンカンと日向夏のデザート付き。垂井和子代表の話の後、みんなで「いただきます」と手を合わせた。入江真絆くん、慶音くんの母親の依子さんは「親がさせてあげられない経験がここではできる。子どもたちは夜にお友だちなど家族以外とご飯を食べることがワクワクするようで、毎回楽しみにしている」と笑顔。母親と小3の妹、年長の弟と4人で参加した佐々木昊くん(南落合小6年)は「ご飯は何色で、お肉は何色かなと、今日教えてもらったことを考えながら食べた。みんなで食べるので楽しい」と話した。

食事後は大学生に勉強を教わったり、友だち同士やボランティアとトランプ、折り紙をして遊んだり、お菓子を食べたりと自由に過ごした。子どもたちから中国語でのあいさつなどを聞かれていた市外大中国語学科3年の多田桜さんは「普段勉強ばかりなので楽しい。子どもたちからすごいパワーをもらえる」と笑顔で話していた。  垂井代表は「子どもの居場所づくりだけでなく大人にとっても、人と人とをつなぐ場になっていければと願ってます。これからもみんながやさしい気持ちで関わっていることを大事に思いながら、続けていきたい」と笑みをみせた。

※みなっち子ども食堂…  毎月の子ども食堂のほか、青少年育成協議会南落合支部など3団体とコラボし、年3回はそうめん流しやクリスマス会など特別企画も行なっている。平成30年度の参加人数は子ども469人、親41人、ボランティアの大人204人、大学生39人。

※子ども食堂…  孤食の解決、子どもと大人たちの繋がりや地域コミュニティの連携のための取り組み。須磨区では助成金制度を設け、現在6カ所の子ども食堂がある。

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