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西区

第98回 まちの保健室 糖尿病入門

5月9日(木)、神戸市看護大学(西区学園西町)西館にて、「糖尿病入門」と題し、糖尿病の予防や悪化防止に役立つ暮らしの工夫の講義や、無理なく生活の中で何かをしながら取り入れられる体操(ながら体操)の実践などがあり30人が参加した。 講師/田中稜也さん、本吉裕美子さん(神戸市看護大学 大学院生・慢性病看護学分野)


「病院に行く程では無いけどちょっと相談したい」など、学校の保健室のように誰もが気軽に心や体の相談が無料で出来る「まちの保健室」は、兵庫県看護協会が県下の大学や病院、地域の福祉センターなどと連携して行っている看護職のボランティア活動。神戸市看護大学もその拠点の一つで、①健康支援②心と体の看護相談③子育て支援④物忘れ看護相談の4本柱で、年に4、5回「まちの保健室」を開催しており今回で健康支援は98回を数える。

糖尿病とは体内の血糖を調整するインスリンの働きが悪くなることにより、血糖値の調整が難しくなる病気。それが慢性化し高血糖の状態が続くと、糖尿病特有の合併症である視力の低下や腎症、また動脈硬化からの心疾患、脳梗塞などの病気も引き起こす。

誰でも食後は血糖値が上昇するが、インスリンの働きが正常な人は食事の前と後でも血糖値の変動が小さい。注目すべきは、糖尿病とまだ診断されていない「予備軍」の存在。「食後高血糖」とも言われ、食事前は正常値でも食後の血糖値の上がり下がりの幅が大きいことで、動脈硬化が進行しやすい。これは予備軍のうちから食事や運動で対策をすることで予防が出来る。

西区竹の台の小野宜慶(やすよし)さん(78歳)は夫婦で参加。妻の澄子さんは「主人の体重減や食事療法の参考になればと思い参加しました。二人で歩くのも日課にしています」と話した。

予防には食事療法や運動療法の効果も大きい。大事なのは1日の適正カロリー摂取量を知り1日3食をバランス良くたくさん噛んで食べることと、食べる順番。ご飯(炭水化物)からでなく、野菜から食べるなど少しの工夫で、血糖値の急激な上昇を防ぐことが出来る。

運動は食後1〜2時間後に20分程度を週に3~5日が理想だが「ながら体操」をすき間時間に行うことでも効果がある(週に合計150分以上)。電車の中や歯磨き中、テレビを見ながら無理なく時間を積み上げていけばよい。講師の本吉裕美子さんは「病気であっても、病気とともにその方なりに元気に楽しく過ごせるようお手伝いがしたいです」と思いを話した。

 

〈2019年度 神戸市看護大学 まちの保健室〉

【もの忘れ看護相談】「身近にできる認知症へ の対策」※予約優先

日時/7月3日(水)午後 2時〜4時

場所/神戸市看護大学

【こころと身体の看護相談】こころの悩みを抱えてい る人とその家族対象※要 予約

日時/7月4日(木)午後 1時半〜4時40分

場所/ユニティ

【子育て支援】すこやかクラブ

日時/7月3日(水)午後 1時半〜3時半

場所/神戸市看護大学 ※いずれも参加無料

 

〈問い合わせ・予約〉神戸市看護大学 地域連携教育・研究センター TEL/(794)8080

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