編集記事

その他の地域

春の山菜の天ぷらをたのしもう

4月20日(土)、国営明石海峡公園神戸地区 あいな里山公園(北区山田町)で「春の山菜の天ぷらをたのしもう〜あいな里山散策と野草のお話も〜」が開催された。新緑が美しい雲一つない青空の下、神戸市内や大阪、姫路から親子連れや夫婦など抽選で12組、25人が参加した。

あいな里山公園では農作業体験や自然・生きものの観察などの体験プログラムが数多く用意されている。今回のプログラムは公園の開園前から長年にわたり野草の保全活動を行ってきたあいな野草くらぶ(中村義則会長・会員25人 )の主催で行われた。あいな野草くらぶは帰化植物を除去し、日本古来の野草を守り増やして、江戸以前の環境を取り戻すことを目的に活動している団体。年々希少化する野草を集めた野草園では現在60種を植栽している。現在特に力を入れているのはササユリで、6月9日(日 )には鑑賞会が予定されている。

集まった参加者は中村会長を先頭に春の里山散策へ。玉ねぎやネギが育つ段々畑を通り抜け、野草園へ向かった。中村会長は野草園に咲くウマノアシガタやキランソウなど春の花々を指し示し、野草は黄色と紫が多いことや、そこから望む2つの山、西区最高峰の雌岡山(めっこさん・標高249m)と雄岡山(おっこさん)の話などをしながら、田んぼや林などが美しく整備された里山をゆっくりと歩いた。畦にたくさん生えていたつくしを見つけた参加者は、「こっちにもあるよ」とはしゃぎながら、うれしそうに摘み取っていた。子どもたちは網と虫かごを手に、蝶やカナヘビを捕え大喜び。最後はノビルが自生する林に立ち寄り、スコップなどを使って思い思いに収穫を楽しんだ。

里山散策を満喫した後はいよいよ昼ご飯。源義経の伝承が残る茅葺き民家「白拍子の家」で、揚げたての天ぷらを楽しんだ。ワラビやウド、タラノキ、ハナイカダの新芽など、公園で見られる春の山菜、樹木の新芽など計17種の天ぷらを堪能。中央区三宮町から参加した渡辺優子さんは「天ぷらはどれもおいしかった。とくにユキノシタがおいしくて、子どもたちはお代わりをするほどだった」と笑顔をみせ、息子の正太郎くん(中央小4年)は「ノビル採りが楽しかった」と話した。

食事後は安部俊美副会長から野草の花の名前や開花時期、野草を守り増やす活動についての話があった。中村会長は「野草を愛でるには下草刈りや苗を移植するなどの作業が必要です。里山に咲く素晴らしい野の花を次の世代へバトンタッチするためにも、ぜひ一緒に活動をしませんか」と呼びかけていた。小6と小3の息子と参加した西区春日台の藤本利恵さんは「あいなの風景が好きでよく来ています。楽しい一日でした」と笑顔で話していた。

カテゴリー