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企画展「国史跡・五色塚古墳のあゆみ」神戸市埋蔵文化財センター(西区糀台)

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6月5日(土)、神戸市埋蔵文化財センター(西区糀台)にて、企画展「国史跡・五色塚古墳のあゆみ」(7月25日まで)の関連ワークショップ「ミニ埴輪をつくろう」が開催され、15人が参加した。


同企画は毎年恒例の考古学講座のひとつ。土器づくり体験はよく行われているが今回は埴輪づくりに挑戦する。はじめに企画展に展示されている実物大の埴輪を囲み、観察しながら講師の山田侑生さん(同センター学芸員)が埴輪の歴史を解説した。

埴輪は、3世紀から6世紀の終わりに作られた墳墓「古墳」のまわりに並べられた捧げものとされる。筒状の「円筒埴輪」と、人や馬などを型取った「形象埴輪」の2種類に分けられ、垂水区五色山にある五色塚古墳からは、高さ約1mの円筒埴輪約2200体が出土した。古墳の平らな面を囲うように、列に並んで出土したため、古墳を飾るだけではなく邪悪なものが立ち入れないようにする柵のような役割があったとも考えられる。

参加者は埴輪作りのポイントなどの説明を聞き、早速各自の机で埴輪づくりを開始した。用意された粘土を8等分し、それらを帯状に伸ばし輪っかを積み上げていく。乾いた時に割れてしまわないように、へらを使い継ぎ目を消しながら作業を進める。輪っかを同じ大きさに作るのが難しく、だんだんと広がってきた参加者には「上下逆にすると安定するよ」などボランティアスタッフがアドバイス。参加者は用意された資料を参考に、猫型・人型・馬型など各々好きな形にチャレンジし、蛇のような飾りがついたものなど自分だけの埴輪づくりに熱中した。

吉田竜堂さん

北区から母親と一緒に参加した小学6年の女児は「郊外学習が奈良観光から埋蔵文化財センターに変更。でもそれもまた緊急事態宣言の影響で中止になったので個人的に来た」と話し、馬型の埴輪を作製。親子で鞍などの飾りつけについて話を弾ませた。兵庫区から来た20代女性2人は、「美術館に行ったりワークショップに参加するのが好き」と話し、人型の埴輪づくりに集中していた。西区押部谷から参加した吉田竜堂さん(高和小4年)は普段から仏像など歴史関連のものが大好きで「チラシを見て、かっこいいから作りたい!」と参加。親子で熱心に埴輪づくりに取り組み、自分だけの円筒埴輪を完成させた。出来上がった円筒埴輪は、鉛筆立てや牛乳パックを入れて花瓶として利用できる。

学芸員の山田さんは「夏休みには土器づくりや勾玉づくり、火おこし器を作るワークショップなどを開催予定なのでぜひ参加してください」と呼び掛けた。※詳しくは「神戸まいぶん」で検索。

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