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西区

子育てメンタル講座

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アドラー心理学を活用した「子育てメンタル講座」が6月10日(月)、17日(月)、24日(月)の全3回、市立西体育館(西区春日台)で開かれた。

西体育館では毎月、スポーツ・健康・文化など多彩な分野の教室や講座を開催。「アドラー心理学」をテーマとした短期講座はこれまで二度開催しており、3年目を迎える今回は子育てに特化。子を持つ母親5人が参加した。講師を務めるのは「コーチングオフィスWith」代表の川原啓治さん。この日は全3回の2回目。

川原啓治さん

子育ての目標は、子どもが①自立する、社会と調和して暮らせる、という行動ができること。②私は能力がある、人びとは私の仲間だ、という信念を持つこと。この行動面と心理面からの目標を自己点検しながら対応していくと自信に繋がり、課題にも立ち向かえると話す川原さん。他人と比較したり完全であろうとするから苦しくなる。自分の理想からすれば不完全である今の自分をありのまま受け入れることが「自己受容」である。親は子どもに対して特別であった時だけ褒める、叱るという方法で注目すると子どもは自分が特別な人でなければいけない、と思い込んでしまう。「普通でいることの勇気」を持ち、ごく普通に毎日を暮らすことが幸せだと気付かなければいけないと力強く話した。

育児において自信を失っている母親が多く悩みがつきないが相手に判断する自由を与える「ヨコの関係」で接すると子どもは話を聞いてくれるという安心感が生まれ、積極的に話そうとする。反対に親の価値観から感情を押し付ける「タテの関係」は支配しようとしていると感じてしまう。川原さんは講座中、2人一組になり何度も互いに感想を言い合う時間を取り「話を聞いてもらえるという心地良さを感じて欲しい」と呼び掛けた。「人はマイナス面ばかり見てしまいがちだが子どもが出来ていることを見つけて、伝えることで自己肯定感が上がる。そうすると自分で判断できる自立した子どもに育っていくでしょう」と話した。中学生の子を持つ母親(西区糀台)は「競争心がないことは良くないと思っていたが講座を受けて、それは自分の価値観であって子どもの方が正解だと分かった。何が正しいのか気付けて良かった」と感想を話した。

 

※アドラー心理学/アルフレッド・アドラー(Alfred Adler・オーストリア)が創始し、後継者たちが発展させてきた心理学の体系。人間は相対的にマイナスの状態(劣等感を覚える位置)から、相対的にプラスの状態(優越感を覚える位置)を目指して行動 している、と考える。

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