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須磨区

花谷地域防災ガイド作成

神戸市内、同じ須磨区内でも取り巻く住環境により地域ごとの課題はそれぞれ。花谷地域の防災の取り組みを花谷ふれあいまちづくり協議会の坂本一昭さんに話を聞いた。

花谷地域は須磨ニュータウン内、花谷小学校区に位置する。校区3800戸は高層住宅も含めすべて鉄筋住宅であり、地区内の土砂崩れの危険個所はハザードマップで1箇所のみ。過去の阪神・淡路大震災や台風などでも大きな被害はなく、大災害に対して大きな被災はないと考える住民も多い。しかし昨年の台風時には一部の住宅でエレベーターが停止、高齢者宅では買い物や外出に困難をきたしたこともあった。近い将来発生が懸念される南海トラフ巨大地震では未曾有の被害が予想されるが、高齢化率も高い同地域では日々の防災への備え、避難誘導、安否確認など対策課題は多い。

花谷小学校は福祉避難所に指定されているが、花谷防災福祉コミュニティが毎年実施している地域防災訓練の参加者は地域住民のうち一部の参加にとどまり、各団地自治会等の防災活動も活発とは言えない。

昨年11月から今年2月にかけ、神戸市の指導のもとワークショップ形式で「災害初動時対応計画作り」を行い「花谷地域防災ガイド(地域おたすけガイド)」をまとめた。自治会・管理組合役員に限らず老人クラブ、小中学校PTA、民生児童委員、地域住民に参加を呼びかけ、小中学校や福祉避難所となる地域福祉センターのほか児童館、名谷あんしんすこやかセンター、区役所職員、消防署員も加わり約50人が意見を交わした。花谷地区広報誌「ひのみやぐら」で今回作成された「地域おたすけガイド」の防災の共助、自助の取り組みについて掲載し全戸に配布した。

「災害時、慌てず落ち着いて情報収集し、行動してもらえるように日頃からいざという時に備えてもらいたい」と花谷防災福祉コミュニティの志賀史和さん。同地域では、今後も各団地自治会・管理組合と連携し防災コミュニティ情報伝達訓練や年末防災パトロール、小学校防災学習支援、地域防災訓練を実施し、大規模災害の被害軽減につなげたいと考えている。

※福祉避難所/災害時の避難所での生活において、何らかの特別な配慮を要する人々のために、市が二次的に開設する避難所。

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